海南省に集中する中国ブロックチェーン企業、その理由は

2019-12-04

海南省ブロックチェーン技術実験区

南シナ海に隣接する中国の海南省は、過去1年間に欧科集团(元OKEx)、フォビグループ、 Baiduブロックチェーン実験室等を含む70社を超えたブロックチェーン企業を引き寄せ、ブロックチェーンに関する産業育成を積極的に推進している。2018年には、中国初のブロックチェーン実験特区を設置。2019年には、海南省国際オフシェア・イノベーション創業モデル区をオープンした。

 

政府の規定により行動するのは前提ー大陸規制の厳格化

習近平中国国家主席は今年の10月24日、中国共産党中央政治局が開いたブロックチェーン関連の研究会に出席し、「ブロックチェーン技術の応用は、新たな技術革新と産業のイノベーションにおいて重要な役割を担う」と述べ、ブロックチェーン産業への研究と投資を拡大する方針を伝えた。

それに続いて、中国共産党の党紙「人民日報」は「ブロックチェーン技術の名目で、仮想通貨詐欺、投機活動を防止すべきだ」と指摘している。

これにより、中国政府はこれまでに違法行為を行う可能性のある企業に対し、2019年以来最大規模の取り締まりの実施という急展開を見せていた。

11月6日、香港証券監督管理委員会は、「同委員会の承認を取得していない限り、仮想通貨に関するあらゆる取引を禁止する」と警告した。11月22日、中国中央銀行に該当する中国人民銀行上海本部は、上海市内のブロックチェーン企業や仮想通貨プロジェクトへ取り締まりを開始した。同日、北京の規制機関は、「摘発された次第、厳しく対応する」と警告した。11月26日、大手取引所バイナンス(Binance)が、上海に置くオフィスを閉鎖された。

 

大手企業が続々参入、政府による補助金ー特定の地域に特定の制度

現在、ファーウェイ、アリババ集団などの中国国内の超大手企業もブロックチェーン産業に参入した。そのうち、アリババ集団が申請したブロックチェーン技術に関する特許数は1005件に達し、三年連続世界一位を占めている。

中国で年に一度の大規模セールの日「双十一」では、ブロックチェーン技術が幅広く導入されていた。関連統計によると、「 Ant Blockchain(アリババ集団傘下のプロジェクト)」によって保障された商品数は1.5億件に上り、14,500のブランドをカバーしている。また、中国第2位のECサイト「京東商城(JD.com)」はブロックチェーン技術を採用するプラットフォームが、10億件の商品への追跡を実現したという。

海南省では、ブロックチェーン企業へ補助金制度も整備されており、法人設立、経営奨励、人材育成、研究支持、資金調達などが幅広くカバーされている。2018年には、中国初のブロックチェーン実験特区を設置。2019年の4月、ブロックチェーン技術に基づく出入金プラットフォームを成立。8月、海南省ブロックチェーン技術工程研究センターを設立。9月、海南省海口市ブロックチェーン協会立ち上げ。12月、海南省国際オフシェア・イノベーション創業モデル区オープン。

地元市場監督機関が提供する情報によると、11月31日の時点で、海南省に登録したブロックチェーン業務を扱っている企業数は984社との結果が分かった。

 

海南省が各地に先駆けてー2017年よりブロックチェーン技術を展開

2017年1月21日、中国初の村に拠点を置くブロックチェーンプロジェクト、GBBC(グローバルビジネスブロックチェーン)が海南省文昌市龍楼鎮好圣村にて設立された。

これに対して、文昌市政府は積極的に評価し、「ブロックチェーン技術を幅広く応用し、既存の問題解決に向けて模索する段階としても重要だ」とコメントしている。

2018年4月13日、中国政府は海南省に自由貿易試験区を設立し、段階的に制度や体系の構築に取り組む。同年10月18日、中国初のブロックチェーン実験特区を設置することに至った。

地元メディアの報道によると、12月4日に「链上海南」(ブロックチェーン上の海南省)と呼ばれる最新のプロジェクトが公開された。同プロジェクトは、自由貿易試験区の建設を促進し、高度な信用性を有するデジタル管理・監督という体系を構築すると同時に、ブロックチェーン技術を含む新興技術やイノベーションを推進することを目的としている。

中国当局は、データの安全性を確保できる前提条件のもとで、地域、産業に跨る価値、情報の転換を目指しているという。

以上のように、政策が産業の発展方向を積極的に指導し、企業や人材に対する一連の補助政策を導入した結果、多くのブロックチェーン企業は海南省に集中する傾向にあるように見える。今後、海南省のブロックチェーン産業の発展に注目するだけでなく、深センを含む中国各地の動向に目を向ける必要もあるのだろう。

 


 

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